北海道自転車旅もいよいよ最終日。
すっかり味を占めたステーションビバークの朝の目覚めはいかに。
疲れ切った身体でがんばるのもあと少しです。
ほんの少しの時間ですがもう懐かしく感じる地元の風景。
安全第一。無事に帰れるのでしょうか。
ご覧ください。
前回までのあらすじ

持病の統合失調症が悪化していよいよマズイと焦ったおとうさんは、打開策を探るため北海道自転車旅に出ることに。
きれいな景色と出会いに癒されています。
目的地の秀岳荘で自分の成長を感じ、激坂で運動不足を感じ、山の中で熊の恐怖を感じながら、いよいよ最後の夜を迎えます。
錦岡駅の夜

錦岡駅の周りは閑静な住宅街だった。
北海道自転車旅初日のはやきた駅とは違い、結構人の出入りがある。
それでも晩ご飯を食べないといけないので、駅の端っこでスパゲティを茹でる。
今日のスパゲティソースはレトルトの玉子丼。
ハヤシライスと同じくコロナに感染した時にいただいた支援の残りだ。
玉子丼はさすがに~と思っていたが、コレが意外に美味い。
玉子と玉ねぎの甘みが麺によく絡む。
これにコショウをかけてベーコンを加えればほとんどカルボナーラだ(もちろん状況フィルターはかかっている)
寝床の待合室にいくつかゴミが落ちていたので、感謝の気持ちを込めて自分のゴミ袋に入れておいた。
北海道自転車旅、最終日の朝

疲れていようが眠れないものは眠れない。
外は霧雨が降って行ったのにくわえ、誰かが待合室のドアを開けたままにして行ったので、湿気がすごい。
不快感で目が覚めたが、まぁいい。

どの道ステーションビバークは始発前に退散しなければいけないので、体を起こして食事の準備にとりかかった。
白老町の馬 虎杖浜の熊の看板

朝靄と霧雨の中をひたすら南下する。
前回の旅では毎日の様におきていたパンクもここまで一度もない。
トラブルらしいトラブルもなく旅を終えられそうだ。
それでも交通事故だけは気を付けなければいけない。
視界が悪いので安全第一で歩道を走る。
なかなか晴れない一本道を走っていると道路沿いに牧場があった。
休憩を兼ねて立ち止まると一頭の白馬がいた。
いつの間にか白老まで来たようだ。
自転車ではまだまだだが、車で通ったらもう一息で家に着く。
それにしても珈琲が飲みたい。
毎朝珈琲を落とすのがルーティンになっているが、今朝は水が無くて(トイレも使えなさそうだった)飲んでいない。
ちょうど町と町の境目でコンビニもなく、いよいよ珈琲が飲みたくて仕方がなくなってきた。
そんな事を考えながら走っているとようやくファミリーマートが見えてきた。
個人的にはコンビニコーヒーの中でファミマのコーヒーが一番おいしいと思っている(もちろん自分で淹れたのが一番おいしい)
Mサイズを頼もうとしたら「どこから来たの」から始まって、なかなかカップをくれない…
ようやくもらったカップを握りしめ駐車場で一口すすると「んんめぇ~~~」とカイジ張りの声が出てしまった。

しっかりカフェインをチャージしてペダルを踏むと、虎杖浜のお土産屋さん大きな熊が見えてきた。
ここまで来れば本当にあと少しだ。
僕の短かった旅ももうすぐ終わる
坂道をよけようとしたら…ズルはいけない
登別駅を過ぎて室蘭市に向かう道に、急な坂道がある。
歩道はなく、車道には登坂車線があるほど急な坂道だ。
往路も通ったのだがさすがに疲れ切った身体で登るのはイヤだ。
脇にトンネルがあったのでそこから坂道を回避しようとしたら、工事中だった。
ムダに走って、坂に入る前に勢いもつけられない。
ズルはしちゃいけないな。正直に、愚直に行こうと改めて感じた
ラストスパート!でも眠い…

最後の坂道をひーこらクリアしたらちょっとした橋がある。
2日目から出て来た「動きながら眠い」という現象がここに来て現れた。
橋の上で少し休むことに。
ここまで来るといつもの風景だが、橋の上でゆっくりすることもないし、川を見ることもない。
煙草を取り出し川面を見ると水鳥が魚を採っていた。
しばらく眺めていたがやがて水鳥も煙草もなくなったので、最後、もうひと踏ん張り。
それにしても眠い。
お片付けまでが旅
12時。自宅到着。
「疲れたっしょ」
労いの言葉を受け、簡単に昼食を済ませる。
雨予報だったが天気は見事に晴天。
エアコンで乾いた汗から塩が浮いている。
汗と疲れを流しにシャワーを浴びて上がると「ちゃんと片づけてよ」と励ましの言葉を受けた
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